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15平方メートルの区民農園で夏野菜を自給するには

15平米で自給自足→野菜品目選択5箇条!


 世田谷区の区民農園は一区画15平方メートルです。

 15平方メートルと言えば1ルームマンションでちょっと狭いよね、と感じる広さ。ホテルで言うとアパホテルのツインルームよりもちょっと広いぐらい、って感じです。

 そのちびっちゃいスペースでできるだけ、意地でも野菜を自給する! と心に決めて9年間。今年は10年目に当たります。さまざまな試行錯誤を経て、夏野菜については「これしかない!!!」という品目及び本数が確定しました。

 

 ということで、今回、本邦初「狭いスペースで自給自足するための野菜の品種選びについての5箇条」をご紹介いたします。

 

1.作りやすい

2.収量が多い

3.使用面積の割に収量が多い

4.一般的に農薬の使用量が多い

5.天候によってスーパーでべらぼうに高くなることがある

 

1.作りやすい

 春から夏にかけての家庭菜園で作りやすいものは、現時点で苗が売っているものです。

 ホームセンターかJAで売っている=素人でも作りやすいと考えます。売られていないもの、近所の農家でも作ってるのを見かけないものは、まず作らない方が無難でしょう。具体的には、キャベツ・レタス・ブロッコリー・白菜など、アブラナ科のでかい野菜です。

 暑くなってくるこれからの季節、このでかくて巻いたりする野菜は素人にはムリがあります。というか、そもそも関東の平地でこれを作るのはプロでもムリ。したがって、素人が作ると虫食い&ナメクジにたかられてギャー!!みたいなことになりますからやめといたほうがいいと思います。

 

2.収量が多い

 

 面積に限りがある区民農園で考えるところの「収量」とは、1平方メートルあたり何本、とかではなく、一本植えたらどれだけ取れるかみたいなみみっちい計算になります。菜っ葉のように収穫したら終わりという作物は、その後あいた地面がもったいないため、基本的に夏場の家庭菜園の栽培品目は果菜類中心になります。

 例えば、一本収穫したらそれでおしまい的な作物、トウモロコシは広大な面積で家庭菜園ができる人には向いていますが、15平米でちまちまやります是が非でも自給自足です的に目が血走っているわたしには向いていません。同様の理由で枝豆もダメです。いつか広大な家庭菜園でトウモロコシと枝豆を心ゆくまで作ってみたいと思っています。

 

3.使用面積の割に収量が多い

 

 どんな作物にも株間○センチ、という適度な空間が必要になります。害虫や病気を防ぐためにはできるだけ風通しよくする、などの小技も必要になります。というようなことを考えていくと、1メートル×1メートルの面積が必要で一個ずつちまちまなるズッキーニではなく、70センチ×70センチでOK、しかもうまく作れば一本の木から長期間大量に収穫できるトマトやミニトマトなどがこの野菜にあたります。たった30センチですが15平方メートルにおける30センチはとても大切なのです。

 というような理由から、ダラダラと伸びるわりに、ひとツルに最大でも2個とかしかつけないスイカやカボチャも向いていません。

 

4.一般的に農薬の使用量が多い

 

 一般的に果菜類とは長期間果実をならせるため、木の健康をできるだけ長く保つことがコツになります。木さえ元気なら作物はいくらでも収穫できるとわたしの師匠・西出隆一さんはおっしゃっていました。ということで、一般的には果菜類の農薬の使用量はビックリするくらい多くなります。

 

 例えば茨城県の「茨城県特別栽培農産物認証制度 特別栽培農産物認証基準」によると、トマトの半促成栽培で慣行栽培(一般的な栽培)の農薬の使用成分数(参考値)は27成分、きゅうりだと43成分、ナスは25成分となります。成分数のため、散布回数は半分くらいかもしれません。とは言っても、とても多い気がしますが、木が生育している期間中に散布するため、果実ひとつあたりには二回くらいしかかかっていないと思います。詳しく見てみたい方は以下をどうぞ。

「茨城県特別栽培農産物認証制度 特別栽培農産物認証基準」

 

https://www.pref.ibaraki.jp/nourinsuisan/sansin/eco/documents/tokusai-kijun.pdf 

 

 せっかく自分で作るのですから、農薬の多い野菜を無農薬で、という自己満足感は大切にし、付加価値商品を作っている自分に酔いしれることも必要だと思っています。

 

 

5.天候によってスーパーでべらぼうに高くなることがある

 

 毎年9月から10月頃、端境期か作型の切り替わり時かよくわかりませんが、トマトやナス、きゅうりなどがべらぼうな値段になっていることがあります。家庭菜園で自給自足していると、スーパーの野菜価格をまったく見なくなるため、巷が不作であることに気づかなくなりますから、スーパーで野菜の値段を見て驚愕したりします。そしてそのつど、「家庭菜園やっててよかったー」などという自己満足に思い切り浸るのです。

 

 実は、畑の借り賃とか土壌分析代とか肥料とか苗とか、ワラを山梨県まで取りに行く交通費とか、全体的な経費を見た場合、野菜は買ったほうが安いのでは? とかいう考えが脳裏をかすめることが時折あります。きちんと計算して比較するのがなんとなく嫌なのでしていないのも、もしかしてマイナスだったらヤダという心の奥底の不安の現れかもしれません。

 

 しかし毎年この「野菜価格高騰」を知ると「やっててよかったじゃん!!」とようやくほっとするというか、まあ10円とか20円の差なのでなんなんだって感じで小さなことなのですが、わりと自分にはかなり大切な条件なんですけど、他の人にはどうでしょう。

 

 というように、書き起こしてみると基本的にみみっちい感じの条件を満たす作物はというと、以下のようなものになります。

 

 トマト、ナス、きゅうり、ピーマン、ツルムラサキ、オクラ、モロヘイヤ、大葉、赤じそ、バジルなどのハーブ、その他年によってインゲンとか。

 

 15平方メートルにこれでもか!! って感じで現在これらの野菜を定植し、夏場の野菜自給自足生活に突入しつつあるところです。さて、畑に行ってこよう。