モミガラと微生物資材を入れた畑に定植しました。赤じそ・青じそは一鉢しか買わず、それを半分にして定植するケチケチ根性ですが、しそは強いので全然OK。きゅうりの横のマリーゴールドはコンパニオンプランツとして植えてみました。
いい苗こそ家庭菜園の成功の鍵!
一般的に「苗半作」と言われます。
三つ子の魂100までとか言いますが、植物も同様で、苗の出来栄えは、それほどまでに栽培の極意というか基本です。とにかくいい苗を購入すること。これが家庭菜園の第一歩です。私の師匠、西出隆一さんは「苗七分作」と言うほどですから、どんだけいい苗を購入するかでこの夏の収量が決まると言っても過言ではありません(大げさか)。
ただ、育苗ハウスも持っていない家庭菜園家にいい苗を作ることなど不可能なので、苗は購入です。ゴールデンウイークは、ちょうど売り出される夏作の苗の中から、いかに良さそうなものを選択するかが家庭菜園家の使命です。ちゃらちゃらと山や海に行ってる場合ではなく、いい苗を求めて区民農園とホームセンター、近所のJAのハシゴです。
今年は寒かったり雨が降ったり暑かったりとヘンテコなお天気でした。このような年はGWの最初の苗よりも後半の苗のほうがいいことがあります。ということで、5/2に苗巡りをしてきました。
悲しいかな、ホームセンターもJAも自根ナス・トマト苗が徒長していました。出遅れたか自分。しかし、GW初日に苗を購入すると、その後の天気によっては大雨や雹などの恐れもあり、初期生育が悪くなってあとが大変みたいなこともあるため、苗の購入は毎回できるだけ遅めのほうがいいのでしょうがありません。
最近はとても小さな苗が売られていることが多いのですが、区民農園の露地栽培では、その後の大雨や低温などの影響を受けやすいため、ある程度の大きさになっているものを選ぶのもコツです。家庭菜園家は慎重に、苗の大きさまで吟味する必要があります。ホームセンターでちびっちゃい苗が元気そうだからと思わず買ってはいけません。ということで
■いい苗を買うための5箇条
1.徒長していないこと
2.最初に出てくる双葉が残っていること
3.トマト・ナス・ピーマンは花がついていること
4.接木苗よりも自根
5.畑に土壌病害が出てる場合は自根苗よりも接木苗
1.徒長していないこと
徒長苗はひと目見たらわかる形態をしています。まっすぐしゃんとなっていなくて、葉っぱがだらりと垂れ下がっていて茎がぐんにゃり曲がっています。これは適期に売れなくて売れ残ってしまった苗ってことが多いため、買わないほうが無難です。
また本体が大きくなっているのに土の量が少ないため、チッソが切れて黄変しているものなどもあります。こういう苗は最悪なので選んではいけません。
2.最初に出てくる双葉が残っていること
芽が出ると最初に展葉する二枚の葉っぱが残っているものは、いい状態の苗だと言えます。数十鉢ある苗の中からあれこれ引っ張り出して、双葉があるものを選択します。定植の時に自分が双葉をちぎってしまってああ大変みたいなことがありますが、買うときはついているものを選択しましょう。
3.トマト・ナス・ピーマンは花がついていること
昔は果実がついているものがいいとされていましたが、最近では花がついてるものしか販売されていないのはなぜかいつも疑問です。ともあれ、花がついてるものを選びます。小さすぎるものは苗=ハウスでぬくぬく、定植=露地で雨だの風だの嵐だの、というような環境の激変に対するバッファが少なそうで、初期生育が悪くなるんじゃないかと思います。が、小さいものを買ったことがないためなんとも言えません。
花がついている大きさがいいのはナス科のものだけです。きゅうりは本葉が一~二枚出たあたりの小さなものを選びます。きゅうりのみは小さなものの方ががその後の生育がよくなるのです。ウリハムシにズタズタにやられてもすぐに大きくなってくれますが、本葉が何枚も出て支柱がついてるような大きなものはその後の生育がはかばかしくありません。選択しないほうが無難です。
4.接木苗よりも自根苗
接木苗と自根苗の見分け方は値段です。300円くらいするのが接ぎ木、100円で売ってるのが自根苗。一般的には自根のほうがその品種そのものの味が楽しめる、というか、味がいいと言われていますから、せっかく家庭菜園で自給自足するのなら自根がおすすめです。経費的にも接木苗で自根苗が3本買えると思うと、選ぶなら自根でしょう。って感じです。しかしその限りではない場合もあります。
5.畑に土壌病害が出てる場合は自根苗よりも接木苗
畑に土壌病害が出ていてすぐに病気にかかっちゃう、なんてことになるよりは、接木苗を買ったほうがいいでしょう。わたしの今回の畑は、まだ一度も作ってみたことがなく、土壌病害が出るかどうかは不明ですが、ナスは3本、きゅうりも3本、トマトも3本、接木苗を選択しました。自根苗との生育を比較してみたいと思います。
ということで、いい苗さえ買ってしまえば、あとは肥料のやりすぎに注意するだけ。今年も豊作な夏野菜を夢見て、がんばりたいと思います。
・おまけ
最近ホームセンターなどで有名食品メーカーの「高リコピン」「高糖度」をうたったトマト苗を見かけますが、今までの経験では一度もうまくできたことがないため、選ばないほうがいいかもしれません。これはおそらく品種とか苗のせいではなく腕の問題だとは思いますが、先日ホームセンターの従業員の方が「S社の苗のほうが生育が良いんですよねー」とお客様にアドバイスしているのを小耳にはさんだので、もしかしたら腕の問題でもないかもしれません。
一鉢300円もする機能性をうたったトマトの苗よりも、フツーの安い苗の方が作りやすいのかもしれません。というよりも、雨に当たりっぱなしで天候の影響をもろかぶりする露地の家庭菜園で、7度とか8度とかの高糖度を目指すほうが無理があるのです。安い苗で行きましょう。