トップページ | 有機農業の基本と技術 | 農薬を使わない工夫と病害虫対策
有機農業を選択した場合、虫や病気との闘いが日常的に起こります。病虫害のある野菜は、商品価値が下がることもあり、有機農業に取り組むのはかなり難しいと考えられています。とくに一般栽培から有機農業に切り替えた際の被害が大きいとも言われます。
昨今、食べものの「安心・安全」に注目が集まり、野菜でも安全なものを求める消費者が多いなか、有機農業への注目はますます高くなるでしょう。では、農薬を使わずに野菜を栽培するには、どのような方法があるのでしょうか。

虫害を減らすためには、虫を野菜につかないようにするのが一番。そこで、野菜に防虫ネットをかけて防除する方法があります。飛来して卵を産みつける虫を入れなければ幼虫も発生しませんから、虫の大きさによって網目の大きさを考えます。
ただ、メッシュが小さすぎると風通しが悪くなり、土壌病害が発生することがありますから、要注意です。
また、それらの虫を誘因する資材や、特定の色を好む虫を誘引するライトなどもあります。

連作障害を避けるための輪作や作物の間に他の作物を栽培する混植、お互いにいい影響を与えあう作物を栽培するコンパニオンプランツなど、地味だけれども効果的な方法があります。単一作物を大規模に栽培するのではなく、小規模多品目栽培による昔ながらの栽培の多様化により、特定の虫害を抑えることができます。
また、地域にあった品種を選択する、病害抵抗性品種を選択するなど、種の段階から病害虫対策をとることが可能です。トマトやきゅうりなどでは、接木苗を買うなどの対策もできます。
ただ、抵抗性品種・接木苗は味がよくないというデメリットがあります。また購入苗にはすでに農薬が使用されていることが多いため、できれば苗は自分で作りたいものです。

農薬を散布しない畑には、さまざまな虫や微生物、小動物などが集まります。それらの天敵の利用により、病害虫をある程度までは防ぐことができます。有機JAS認証で使用可とされている天敵農薬などもありますが、その土地にいる土着天敵の自分で観察し、有効活用することも可能です。
たとえば、春先に産卵前のテントウムシを捕獲し、ちょうどアブラムシが出る時期に自分の畑に放すことで産卵を促し、幼虫を利用します。テントウムシの成虫は飛んで行ってしまいますが、幼虫はサナギになるまで畑に定住し、アブラムシを食べ続けます。農薬ほどの劇的な効果はなくても、一定程度の効果は見込めます。
自分の畑をよく観察し、天敵の活躍に注目しましょう。アオムシやアゲハの幼虫などに寄生するハチやハエ、幼虫を殺してしまう細菌など、探してみるとたくさんの生きものがいるものです。土中には豊富な微生物、地上にはたくさんの生きもののいる畑を目指しましょう。
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